Marshallsに日本語があるかぎり


2012~14青年海外協力隊員としてMarshall Islandsで日本語を教えていました。マーシャルのあれこれ、日本語教育事情などいろいろ綴っています。
by jpt-in-Marshall
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カテゴリ:読書備忘録( 12 )


協力隊員として赴く前に読んでおきたい本かも!?

メキシコ旅行中読んでいた本。

日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)

イザベラ バード / 平凡社



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(画像拝借しました)


知る人ぞ知る女流旅行家イザベラ・バード。虚弱体質だったために療養、というか健康促進のために医師に勧められて旅行に出るように彼女。すっかりはまってしまって挙句の果てには当時「未開の地」だった東北蝦夷へ陸路で旅を敢行してしまうまでに。一人旅、とは言いますがもちろん完全に一人ではなく、通訳兼お世話係の伊藤氏(当時はまだ10代後半だったそうです)とそれぞれの場所で馬子さんとグループで移動していたようですが、文明開化後間もない日本の田舎ですから、西洋人なんて見たことがない人ばかり。行く方々で見世物状態になってしまって閉口したそうです。

そんな彼女が当時の日本の、特に地方の様子をリアルに記録しているのですが(中でもアイヌのコミュニティに関する記述は必読もの)、読んでいて「あれ!?」と思ってしまいました。

イザベラ女史は、日本の地方の集落の多くが不潔であったと書いています。多くの人が皮膚病を病んでいる。それは着物を滅多に変えたり洗濯したりしないからだ、とか。また室内の換気の悪さやノミ、ダニに悩まされるくだりもあります。

あれ?あれれ?

これって、今の協力隊員が任地に赴いて悩まされたり、問題意識を感じることに共通していませんか?

たとえば私がいたマーシャルでも皮膚病を患った子供たちがたくさんいました。
富裕層以外は体を雨水をためたバケツ一杯分の水で体を洗う(ちゃんと石鹸をつける人も多いようですが)か、または海に入って海水浴だけで済ませてしまうか。その海水も首都の中心部の海は大腸菌うようよであまり清潔とは言えません。また歯磨きが全体的に浸透していないので子供でもひどい虫歯を患ったまま放置状態のケースも。
マーシャル人は室内を非常にきれいに掃除をしますが、もちろんダニ・ノミ・南京虫がいるのも事実。

大抵日本人はそういう状況に眉を顰めます。ちゃんと体を洗いなよ、病院に行きなよ。歯磨きしなよ、と思いますし、現にそこに問題意識を感じて啓発活動を行うこともあります。

ただ、そこで忘れてはならないのは「日本も昔々はそういう時代もあったんだ」ということです。つまり、相手をさげすんではいけないということです。
個人的に「発展途上国」だった日本が現在のような先進国に発展したその過程に興味があります。そこに現在の途上国が抱える問題の解決の糸口があるのも事実。協力隊員でいかれる方もそうでない方も、すっかり「きれいな」日本人としてすました顔しないで過去のことも知ることが大事なのではないでしょうか。
あくまで私の意見&私自身への戒めです。あしからず。
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by jpt-in-Marshall | 2014-10-25 19:18 | 読書備忘録

最近読んだ本

①『辺境から世界を変える ソーシャルビジネスが生み出す「村の企業家」』

辺境から世界を変える ――ソーシャルビジネスが生み出す「村の起業家」

加藤徹生 / ダイヤモンド社



職種は日本語教師ではありますが、国際協力に携わる組織の一員としてマーシャルに来ていることもあり、この手の分野には非常に興味を持ってます。前々から思っていたけど、結局その場にいる「当事者」が自ら行動していかないと何事も変わっていかないんだよね。いろいろ興味深いNGOやソーシャルビジネスの事例、マイクロファイナンスが裏目に出てしまったケースなど考えさせられることが紹介されている本。

②『インドの衝撃』

インドの衝撃

NHKスペシャル取材班 / 文藝春秋



ちょっと古いけど何年か前にNHKが急ピッチで発展していくインドを取材した際のノンフィクション。日本語教育の世界では今インドでも市場が「やや」増え気味らしい。インドのIT人材、理数系に強い人材は世界でも引っ張りだこですもんね。そういえば以前日本に駐在していたアメリカ企業に勤めるインド人に日本語を教えていた時「自分は理数系だから暗記は苦手なんだ」と豪語されてしまったことがあったな。語学って暗記なので…でも数字を覚えるのは早かった。
インドがカースト制度を打破して実力で這い上がれる仕組みができるのはいいと思うけれど、結局発展といったって圧倒的多数の農村の犠牲を無視しては不均衡から破たんにつながるんではなかろうか。でもそこは世界最大規模のの民主主義国。いくら核実験を実施した時のトップでさえ、ごく地方の川の権利問題で失脚してしまうんだから、農民たちの力は侮れない。発展って何だろう、貧しさって何をもって言うのだろう、とこの本を読んでいても、マーシャルで生活していてもいろいろ考えてしまう。


③『古本道場』

古本道場 (ポプラ文庫)

角田 光代 / ポプラ社



今や超売れっ子の作家が古本道を学ぶべく、毎回お題をもらって古書街を練り歩いてめっけものをしてくる、というもの。結構なじみのある場所が出てきたりしてなんだか懐かしい。ああ、帰ったら古本屋めぐりしたいな。渋谷のフライングブックスとか西荻の音羽堂とか、いいよな~。でもBook Offも侮れないんですわ。帰国したらたくさん本を買いたい。自分へのご褒美に。日本にいたころは本はなるべく図書館で借りるようにしていたけど、2年間我慢したんだからちょっとばかし許してあげよう。
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by jpt-in-Marshall | 2014-06-02 03:31 | 読書備忘録

失礼にならないように

たまには日本語以外の語学ネタを。
以前、日本でアメリカ人に日本語を教えていたときのこと。日本語学習を始めたばかりだったので、英語で授業を進めていたのですが、何かの話をしていた時に私が
“That’s interesting!”
と相槌を打ったことにたいしてそれはあまりよろしくないのだと教えてもらったことがあります。
こちらとしては決して消極的な気持ちを表したわけではないのですが、英語でその表現は無難すぎて、そっけない相槌にしかならないのだそうです。

こういうのは外国語学習がある程度進むと陥らざるを得ない落とし穴なのです。
ある程度話せると次に問題になってくるのは運用面、特にPolitenesss(丁寧さ)です。文法上は間違っていなくても、その場にふさわしくない表現をしてしまうと、当然相手に失礼になります。そういうことを避けるためにも、こういう本はとっても勉強になります。

その英語、ネイティブはカチンときます (青春新書INTELLIGENCE)

デイビッド・セイン / 青春出版社



たとえば「笑えるね」「うける~」という意味で「おもしろい」と言いたいときどんな英語表現をしますか?
“Funny”
とだけ言うと
「うん、そうだね、おもしろいね」と非常にそっけない相槌になってしまいます。Funnyという言葉の選択には間違いはないのです。ではどうすれば気持ちを正しく伝えられるの?
“That’s so funny.”
と言えばいいそうです。”So”を加えること、そしていかにも面白がってるんだという語調で伝えれば間違いなしでしょう。
または“hilarious”という表現を使うことも可能だとか。

その他、お客さんに「まあまあ座ってくださいよ」と言いたいとき、中学英語で習ったように”Please sit down”なんて言ってしまうとそれもちょっと失礼な響きになるとか。
この表現は学校の先生が生徒に「着席!」と言うときに使うもの。まあ、私は非常に使えるんですけどね。
では、お客さんに席を進めるときは何と言ったらいいのか?
“(If you’d like,)please have a seat”
確かに、今まで欧米人のところに行ったときにはこういう風に言われてきたなあ、と。

決して難しい文法の話ではないのですが、円滑なコミュニケーションをとるためには不可欠なポライトネスの要素。これは暗記するまで学んでおきたいものですね。
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by jpt-in-Marshall | 2014-03-04 04:34 | 読書備忘録

Books from Library

COOPでお気に入りの場所ができました。
それは、Library,そう図書館です。もともと本が好きなので図書館という空間は好きなのですが、昨年は図書館に司書の先生がいなかったので、にぎやかさに欠けるところもあり、ほこりっぽいのも手伝って、あまり立ち寄らない場所だったのですが、今年からNYっこの司書の先生が来てくださり、とことん本の整理をして、生徒たちが利用したくなるような図書館づくりに励んでくださるおかげで、私も図書館に足が向くようになりました。
何より、司書の先生がとても素敵な女性なのです。銀髪のベリーショートにユーモアのあるイヤリング。身軽で軽いジョークも飛ばしてくれる人なので、ちょっと一服したいときにふらりと立ち寄ってしまうのです。
本を見ているだけでも心が癒されます。

そんな図書館が古本セールを始めました。図書館にあった大人の本やすでに古くなった本を一掃しようという司書の先生の目論見だそうです。本がなかなか手に入らないマーシャルでは非常に貴重な機会ということで、COOP外からも本を買い求めに来る人が来ています。特に今日は3者面談で親御さんも来ることから、大量に買っていく人の姿が目立ちました。

気になるお値段は1冊25セント、5冊で1ドルと大変に魅力的!

私も気が付いたら5冊購入していました。
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写真は4冊しかないけど、ガブリエル・ガルシア・マルケスの小説と、マヤに関する読み物、アメリカの先住民に関する話のものと私らしいものが見事集まりました。

日本から英語の本も持参していましたが、全然手を付けていなかったのが正直なところなのですが、素敵な本を購入した今、英語の本を読む気満々に。

どんな話かわくわくしますね。
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by jpt-in-Marshall | 2013-10-18 03:25 | 読書備忘録

究極のシンプルライフ?

「自宅でなにしてるの?」とよく聞かれます。比較的自宅にいることが多い私は、特にこの1か月、仕事が忙しいこともあり外出や外食は控えて、自宅で本を読んだり、DVDを見たりして過ごしていました。
日本からいろいろ送ってもらった本の中に、マーシャルに来る前から気になっていたものがありました。

ぼくはお金を使わずに生きることにした

マーク ボイル / 紀伊國屋書店



自給自足、Self-sufficient lifeってやつですね。表紙を見れば一目瞭然です。この拝金主義的世界の中で、いかにお金に頼らず、というかお金を使わずに生活できるか、貨幣主義、資本主義でめちゃめちゃになった地域社会・文化をどう再生させるか、ということに個人的に興味があるので
この手のものは時間がある今のうちに読んでおきたいと思うのです。特に物資の限られた途上国で・・・とは思うものの、実際にはマジュロはアメリカの経済的支援(それも物議をかもす方法論ですが)により、アメリカの片田舎レベルの生活ができるわけです。お隣のミクロネシアと比べると、ものも手に入るし、生活も恵まれているそうです。

話がそれましたが、そんな環境で読んだこちらの本。

感想を一言でいうならば、自給自足生活は、決してシンプルではない、ということです。

どういうことかといいますと、持っている「モノ」は確かに少ないのでシンプルです。しかし、すべてを自らの手で生み出すか、持っている人と交換するか、という生活は非常に手間がかかり、濃密なコミュニティーに属していなければ不可能だからです。たとえばお湯が必要なら、水汲みに行って火おこすところから始めなければなりません。現代社会で何気なく行っている作業にも数時間かかることだってままあるのです。また人間関係の構築も死活問題として大切になってくるので、地域の集まりに参加したり、また著者はそう言った運動をしている人なのでワークショップやイベントの企画運営に常に東奔西走しています。

もちろん自給自足もやる人によってそのライフスタイルは様々だと思いますが、必ずしも「自給自足=シンプルで緩いスローライフ」という図式が成り立つわけではなさそうです。

「心の底から破壊を好む人間はいない。他人に苦痛を与えて喜ぶ人などそうそうおめにかかるものではない。それなのに無意識に行っている日常的な買い物は、ずいぶんと破壊的である。」(P17)

「僕自身は取り立てて、従来の意味で精神的(スピリチュアル)な人間ではない。僕が心がけているのは、『応用精神主義』。自分の信条を抽象的に語るだけで済まさず、現実世界に当てはめて実践することだ。頭と心と手の間に矛盾が少ないほど、正直な生き方に近づく。(・・・)精神性と物質性は同じコインの裏表にすぎない。」(p27)

「どれだけ得られるかではなくてどれだけ与えられるか」(p248)

残念ながら私には自給自足生活はできそうにないけれど、物であふれる日本に戻ったとしても自分の生活スタイル、消費スタイルを変えることはできると思うのです。そんな私は最近、技術を身につけたいです。必要ならば自分である程度生み出せる技術。布を作ることはできないけれど、ほしい服があれば自分で作ってしまえたりするような。

過剰から少な目へ。バランスの取れた生活をしたいと思う今日この頃。
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by jpt-in-Marshall | 2013-06-02 11:59 | 読書備忘録

FBI直伝の・・・

面白い本を読みました。

ここのところ、もっぱら読書かDVD鑑賞にはまっております。この間はドミとオーナーさんのお宅に伺いたくさん文化の仕入れをしてきました。本は10冊くらい借りてしまった(笑)

ドミトリーの図書室でふと目にとまった1冊。読みやすいものが欲しくてお持ち帰りをしました。

ダンナ様はFBI

田中 ミエ / 幻冬舎


今はどうかわかりませんが、ちょっと前よく流行ってましたよね。「ダーリンは○○」などの伴侶ネタ。これもそんな中の一つなんだろうな、まあ楽しく読めそうでいいな、という軽い気持ちで読み始めたのですが、これがなかなかすごかった。

何がすごいかというと、FBIをリタイアしたアメリカ人男性との甘くてハードボイルドな結婚生活が綴られているのかと思いきや、FBI流人生奥義が並べられていて、ある意味勉強になりました。そこら変の自己啓発本よりもすごいかもしれない(笑)

著作権の侵害にならない程度に、少々ご紹介しておくと・・・

【FBI直伝・自分の魅力をアップさせる10の掟】
①初対面の人には時間差で2度微笑みかけろ
②出会って最初の1分間は、相手に尊敬を伝える時間
③軽くスピーディーなスキンシップはポイントが高い
④目が合った瞬間、0.5秒差でハローを言え
⑤家族の話をアピールして相手の信頼を勝ち取れ
⑥相手への最初の質問で、自分を効果的に印象付けろ
⑦成長のための投資は、自分に7割、子供に3割
⑧不得意なことを無理して引き受けるな
⑨贈り物に頼らなくても心は伝えられる
⑩「生涯最低年収」を決めて、自分の力をテストせよ

著者でもあり、この元FBI旦那さまの奥様でもある田中ミエさんは、独立したコピーライターだったため、このセオリーが非常に役立ったといいます。

そのほか「ダーリン」の危機管理に関する徹底した姿勢と、そこから巻き起こるドタバタ劇には思わず笑ってしまうのですが、バブル以前の治安の良さ世界一を誇った当時の日本でなぜにこんなに?とみんな思ったのでしょうが、「ダーリン」の予言通り、日本には凶悪犯による犯罪やおれおれ詐欺などが倍増しました。そんな社会を知っていると、「ダーリン」のおっしゃることがいかに正しいかがわかります。
読み終えて、ごつい外見に似合わず、侍気質でシャイな「ダーリン」さんですが、奥様にとってもお子さんにとっても素敵な伴侶であり、父親であったんだなぁ、と思うのですが、やはりそういう人と四六時中一緒にいるのは大変だよな、とも思ってしまいました。

さらりと読めて、かつ笑えるのに、決して「軽い」エッセイではないこの1冊。おすすめです^^
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by jpt-in-Marshall | 2013-05-23 05:21 | 読書備忘録

『隣のアボリジニ』

「さっきね、アボリジニの人とすれ違ったんだけど、なんだか怖くって」
何年か前に、オーストラリアのウルルに滞在していた時、ドミトリーで一緒になったイギリス人の女の子が私にそう言ったのだった。
「迫力はあるけど、なんにも怖いことはないよ」
私がそう言っても、「わかってるんだけど、やっぱりね」と彼女の中の恐怖心は変わらなかった。

友達に借りた『隣のアボリジニ』を読んで、ふと昔の出来事を思い出した。私の中でオーストラリアそしてアボリジニはちょっとした思い入れがある。東京でみたアボリジニのエミリー・カーメ・ウングワレーの絵画にすっかり魅せられてしまった私は、即座にアボリジナルアート探訪の旅を決めた。そんなわけで、ひとまずはウルルへとびだったのである。

そしていま、なんだかアボリジニとは無関係のマーシャルに来ているけれど、それがあながち「無関係」でもなさそうだというのが、この本を読んでいて思ったことだ。

隣のアボリジニ 小さな町に暮らす先住民 (ちくま文庫)

上橋 菜穂子 / 筑摩書房


『隣のアボリジニ』では、私たちが思い浮かべる≪アボリジニ≫が描かれてはいない。ディジュリドゥをふく人は出てこないし、ブッシュの中でほぼ裸の状態で狩りをして生活しているわけではない。あくまで途中からやってきて我が物顔で居座り始めたヨーロッパ人の子孫である「オージー」の隣人としての≪アボリジニ、またはその血を引く人たち≫が描かれている。アボリジニの本は何冊か読んだことがあったけれど、都市に住み、オージーたちと似たような生活をしている(似て非なる)アボリジニが描かれていて、とても新鮮だった。

現在オーストラリアで言われている「アボリジニ」のステレオタイプは主に2種類ある。
一つは自然の中で原始的な伝統を守る「原住民」としてのアボリジニ、そしてもう一つは都市ぶで働きもせず、生活保護のお金でお酒を買い求めてはぐでんぐでんになって、暴れる「ろくでなしの酔っ払い」としてのアボリジニ。前者が観光の呼び物として使われていて、後者はアボリジニへの差別につながっている。
「過去のオーストラリア人(ヨーロッパ人)は本当にひどいことをしたと思う。でも、もうそれは自分たちが生まれるはるか前の話だ。なんでやつらの酒代のために高い税金を払い続けなければならないんだ!?」
これが現代オージーたちの本音のようだ。

加えて、いわゆる「白人」オージーだけではなく、都市に住むアボリジニの間からもこんな声もあるようだ。
「アボリジニと白人との間に隔離政策があったあのころのほうがよかった」
かつてこの二つの民族の間には、厳しい隔離政策があり、アボリジニはホテルや喫茶店に入ることが許されず、また夜間も6時以降は自宅に戻らなければならなかったという。
その頃のほうが今みたいにアボリジニの不良の若者がたむろったり、酔っ払って暴れたりすることはなかった。生活保護もなかったから、あのころのほうがアボリジニはよく働いた。
もちろんこれは白人側の一方的な「押しつけ」による平和です。この状態に戻せばいいだなんて、何ともアナログな話である。しかし、このような状態であれば真面目に生活しているアボリジニにとって、いつまでも「こいつらのせいで、おれたちまで悪く言われるぜ」という言い分もあるのも事実。
「アボリジニもいい加減被害者意識を持つのをやめて、自分たちと同じやり方で勝負すればいい」つまり、欧米的な競争主義、資本主義の中に飛び込んで来ればいい、という考えもあるよう。
ただ、忘れてはならないのが、それはあくまで欧米人の価値観が生んだものであり、アボリジニの本来の生活文化とは程遠いものがあるのだ。

基本的には狩猟をするため、ノマドの生活様式であるのに加え、家族とのつながりが強く、個人主義の欧米社会とは正反対。収穫は家族並びに共同体でシェアしあう。一見白人の生活様式をとりながらも、彼らには伝統にのっとって生活する必要があるのだ。それを欧米的な価値観だけで甲乙つけるのは難しい。

かつてのような白人による「押しつけ」でもなく、かといって補償だけの「生活保護」でもない道がうまれるといいな、と私は読んでいて思った。ただし、それは彼ら自身がそのダブルスタンダードをしっかり自覚して、自分たちで解決策を生み出さないと変わらないのだろう。

シェア文化、家族のつながり、といったところはなんだかマーシャルにも似ていて、重なる部分もあった。
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by jpt-in-Marshall | 2013-02-04 04:25 | 読書備忘録

昔の「南洋」

面白い本を読みました。

MJCCのオーナーさんにお借りした本です。

南洋通信 (中公文庫BIBLIO20世紀)

中島 敦 / 中央公論新社



高校の現代文の教科書にも出てきた中島敦はほんの一時ではありますが、南洋庁のお役人としてパラオに赴任していました。

島民の「皇民化」という目的のため教科書を作るという使命があったようです。

そんなイデオロギーと現実との間に板挟みになった中島敦の葛藤もつづられていますが、気候が合わないとか、家族が恋しいとか、文化に飢えているさまが結構ウエットに語られている書簡集も収録されています。

マーシャルのジャルート(当時はヤル―トと発音していた)にも訪れていて、ついこの間赴いた私としてはとっても興味深かったです。

ちなみに当時の中島敦は今の私と同い年。

マーシャルに来る前に読めばよかったという思いもありますが、読んでいて南国の風景描写はここにいるからこそリアルに味わえるのだし、中島敦がぶつくさ不平をもらしていることも、こちらでせいかつしているからこそ共感できるので、やはり今このタイミングで出合えてよかったなと。
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by jpt-in-Marshall | 2013-01-06 14:53 | 読書備忘録

マザーテレサ

KTCから帰ってきてダウンな日々を過ごしております。
それでも買い足すモノを買ったり、PCの整理をしたりしております。

そんな中で私はあることを決めました。

ずっと気になっていた東北地方へのボランティア活動

機会を逃していたのですが、KTCにはボランティア経験者の方々や、訓練が終了したその足で二本松へ赴いたメンバーもいて、私もこの目で見て、何かしたい、そしてそのことをマーシャルにいる人たちに伝えたいという気持ちが強くなり、強行突破で来週末2泊の予定で石巻へ行ってくることにしました。

前任の方々から仕事を引き継ぐ私たちは当然、あの震災のことを問われるはずです。
または問われることはなくとも、日本のことを伝える義務のようなものを負っているのかもしれません。

早くこの疲労困憊状態から抜け出して、体調を元に戻したいと思います。
渡航準備もガンガン進めなくっちゃ。


例のように前置きが長くなりましたが、KTCにいたときから読んでいた本を読み終えました。

マザー・テレサ 愛と祈りのことば (PHP文庫)

PHP研究所



マザー・テレサは尊敬すべき人の一人でありまして、ことあるごとに本を読んだりしているのですが
やはり協力隊へ赴く身分になったからには、渡航前に読んでおきたいな、と。

備忘録としていくつか心に響いた言葉を記しておきたいと思います。

「神からいただいたものは、錠をかけてしまいこんでおくものではなく、人々と分かち合うためのものなのです。
貯めれば貯めるほど、与える機会を失ってしまいます。持ち物が少ないほど、人々と分かち合うことも易しくなります。」

「物質的な必要については、私たちは全面的に神の摂理に信頼しています。」

「いいえ、私も結婚しているのですよ(・・・)イエス様が私の手に余るたくさんのことをおさせになる時には、私もイエス様に微笑むのが難しく思えるときがあるのですよ」

「私の頭の中には、群衆としての人間は存在せず、一人一人の人間としてのみ存在しているのです。」

「私は、一対一のパーソナルなふれあいが大切だと信じています。」

「私たちにとって、清貧とは自由を意味しています。まったき自由です。神の愛の宣教者たちが所有しているものは、財産としてではなく、使用しているものとしてのみあるのです。」
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by jpt-in-Marshall | 2012-06-16 16:56 | 読書備忘録

本を主軸とした日々

訓練が始まるのが4月11日なので、日本語教師集合研修も終わった今、わりと時間があります。

仕事もしていないので、家にいることが多いです。


・・・が、しかし!

結構やることがいっぱいあって、バタバタしてます。

何をしているかというと、必要なものの買い出し。

訓練所で必要なものとマーシャルに持っていく本などを買ってます。

それから本のスキャニング。
データ化してなるべく本の冊数を減らします。

そして、読書。

とはいっても今読んでるのは先週見に行った映画‘幸せの経済学’関連の本です。

いよいよローカルの時代―ヘレナさんの「幸せの経済学」 (ゆっくりノートブック)

ヘレナ ノーバーグ=ホッジ / 大月書店



ラダック 懐かしい未来

ヘレナ ノーバーグ・ホッジ / 山と溪谷社




おいおい、これから行くのは大洋州のマーシャルだろう?と突っ込みたくなりますが、
妙にインドのヒマラヤ地方に意識が飛んでおります。

私、こういうのよくあるんです。

旅行の直前に、自分が行くのとは違う国の旅行記を読んで
「ここ、行きた~い」という癖。
しかもその次の旅の行く先をその地にしているという。

マーシャルが終わったら、ヒマラヤ辺りに飛んでいくかもしれないわたくしなのです。

そのほかにもこんな本を図書館から借りてます。

ブータンと幸福論―宗教文化と儀礼

本林 靖久 / 法藏館



ブータンのGNH(Gross National Happiness、国民総幸福量)にもとっても興味があります。

一見離れた分野ではありますが、今後の国際協力の在り方に大きくかかわると思いますよ。

むしろ途上国の人々が「本当に私たちのためになることは、何もしないで放っておいてくれることだ」という人もいるくらいですから。
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by jpt-in-Marshall | 2012-03-26 11:35 | 読書備忘録