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Marshallsに日本語があるかぎり


2012~14青年海外協力隊員としてMarshall Islandsで日本語を教えていました。マーシャルのあれこれ、日本語教育事情などいろいろ綴っています。
by jpt-in-Marshall
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外国人のおかげで

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何度も言うようですが、マーシャルには外国人が多く、医療、教育、ビジネス、政治など様々な分野で外国人のお世話になって成り立っている国です。日本人だけではなく、中国人(台湾出身者が多い)、フィジー人、フィリピン人、アメリカ人、オーストラリア人、ニュージーランド人。
独立国なのだから、マーシャル人に頑張ってもらいたいのが正直なところなのですが、やはり外国人だからこそできることもあるのです。私は高校で日本語をおしえているので、教育面でそういうことが見えてきます。

マーシャルは子供が多いので、小学校はどこもパンク状態。一クラスに20人以上いるのではないでしょうか。しかしそれと反比例して、教師の数が非常に少ない。今は改善の方向に向かっているようですが、教師自体が高卒で、教師になるための勉強をしているわけではない、つまり正規の資格を持たない先生たちが多く、教育の質に関して批判を浴びてきました。(もちろん高卒の先生だからと言って、だめだといいません。いい先生もいると思います。が、そうではないケースのほうが圧倒的に多いです。)ですから人員不足改善と教育の質の向上を図って外国人(フィジー人、フィリピン人、アメリカ人が多く、協力隊などの日本人も一役買っています)のお世話になるわけです。

また、(ちょっと古めの)キリスト教的な側面が強いため、性教育などはとてもローカルの先生にはできません。これも一つのマーシャルの面白さですが、公の場ではキリスト教的考え方が強い割に、プライベートではマーシャル流なのか、結婚制度が緩く、内縁の関係が多かったりします。またティーンエイジャーの妊娠も社会問題の一つでして、公立高校になんと、産休制度があるほどなのです!
ですから性教育、バースコントロール教育は必要不可欠なわけですが、マーシャル人が公の場でそれを語ることはできない。というわけで、ここも外国人の出番なのです。私の学校ではアメリカ人の女性の先生とフィジー人の男性の先生が手分けして授業を行っています。また協力隊の看護師隊員が各教育機関に出前授業をすることもあるそうです。

協力隊という立場だと、どうしても「ローカルによる自立した社会を目指したい」と思うのですが、それができない理由には単にその国の資源や経済力の問題だけではなく、文化、あるいは考え方などの内面的な問題にも行き当たるのだと実感させられます。日本はそういう意味で内面的にも良くも悪くも変化してきたことで発展した国だと思いますが、すべての国が同じようにできるわけではないですし、悪い意味での変化を最小限にできる方法をこれからの時代は考えていく必要があるのではないでしょうか?

今日はちょっと真面目なお話をしました^^

by jpt-in-Marshall | 2013-05-23 09:07 | マーシャルあれこれ
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