Marshallsに日本語があるかぎり


2012~14青年海外協力隊員としてMarshall Islandsで日本語を教えていました。マーシャルのあれこれ、日本語教育事情などいろいろ綴っています。
by jpt-in-Marshall
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『きょうもえんまん!』を読んで

アマゾンのマーケットプレイスなどをフル活用して、マーシャル諸島やミクロネシア圏の本を集めています。

先日赴いたPICの黒崎さんに教えていただいた本がこちら

多田智恵子著

『きょうもえんまん! ビキニ環礁を追われた人々と暮らして』
健友館

多田さんは2001年から2年間マーシャル諸島に協力隊員の小学校教師として赴任された。

マーシャル諸島に限らず、あの辺の島国(と言っていいのか)は首都があるメインランド勤務か
離島勤務かでかなり生活状況も仕事の状況も変わってくる。

わたしが赴任するのは幸いにも首都マジュロの中心部にある私立の学校である。

多田さんが派遣されたのは離島である。

キリ島

この島はかつて罪人を島流しにする流刑地であった。

しかし、米軍によるビキニ環礁での核実験で被爆したビキニ島民は
「救済」という名のもとに強制的にこのキリ島に移動させられた。

ビキニ島での生活習慣はこのキリ島では通用しない
作物も育たないような不毛の地で
彼らは米政府からの「救済」によって生活している。

こんな風に書くとまるで悲劇の島民の生活を想像するかもしれない。

しかし、このキリ島の小学校に赴任した多田さんの、JICAが喜びそうな言葉ではない正直な文章を読むと
そう甘ったるい話ではないことがわかる。

キリ島はマーシャル諸島の中でも最も豊かと言われている島である。

それは常に米政府からの援助が滞ることなく与えられているからである。

建物も立派で、食べ物も配給されている。
給付金もあるのだろう。

しかし、それは人をだめにする「犬にえさを与える」方式の、旧型援助である。

キリ島の教育水準の低さが、教師のレベルの低さが多田さんの文章の中で綴られている。

「頑張らなくたって、お金にも食べ物にも困らないしね」

この状態が人間をだめにしていく

そんな中で必死に算数と理科を教える多田さん

途中からやってきたアメリカ人の若いがゆえにプロ意識の低いボランティアたちとの交流の中にも
フラストレーションがたまっていく。

決して「感動的」だとか「お涙ちょうだい」を演出しているのではない
正直な思いが綴られているこのエッセイは、とても貴重なものだと思う。

南太平洋に赴任する人だけではなく、JOCVとして派遣される隊員はみんな読んでおいたほうがいいのかもしれないな、なんて思った。

色々考えさせられる本でした。

by jpt-in-marshall | 2011-10-21 11:12 | マーシャルあれこれ
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