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メキシコ旅行中読んでいた本。
(画像拝借しました) 知る人ぞ知る女流旅行家イザベラ・バード。虚弱体質だったために療養、というか健康促進のために医師に勧められて旅行に出るように彼女。すっかりはまってしまって挙句の果てには当時「未開の地」だった東北蝦夷へ陸路で旅を敢行してしまうまでに。一人旅、とは言いますがもちろん完全に一人ではなく、通訳兼お世話係の伊藤氏(当時はまだ10代後半だったそうです)とそれぞれの場所で馬子さんとグループで移動していたようですが、文明開化後間もない日本の田舎ですから、西洋人なんて見たことがない人ばかり。行く方々で見世物状態になってしまって閉口したそうです。 そんな彼女が当時の日本の、特に地方の様子をリアルに記録しているのですが(中でもアイヌのコミュニティに関する記述は必読もの)、読んでいて「あれ!?」と思ってしまいました。 イザベラ女史は、日本の地方の集落の多くが不潔であったと書いています。多くの人が皮膚病を病んでいる。それは着物を滅多に変えたり洗濯したりしないからだ、とか。また室内の換気の悪さやノミ、ダニに悩まされるくだりもあります。 あれ?あれれ? これって、今の協力隊員が任地に赴いて悩まされたり、問題意識を感じることに共通していませんか? たとえば私がいたマーシャルでも皮膚病を患った子供たちがたくさんいました。 富裕層以外は体を雨水をためたバケツ一杯分の水で体を洗う(ちゃんと石鹸をつける人も多いようですが)か、または海に入って海水浴だけで済ませてしまうか。その海水も首都の中心部の海は大腸菌うようよであまり清潔とは言えません。また歯磨きが全体的に浸透していないので子供でもひどい虫歯を患ったまま放置状態のケースも。 マーシャル人は室内を非常にきれいに掃除をしますが、もちろんダニ・ノミ・南京虫がいるのも事実。 大抵日本人はそういう状況に眉を顰めます。ちゃんと体を洗いなよ、病院に行きなよ。歯磨きしなよ、と思いますし、現にそこに問題意識を感じて啓発活動を行うこともあります。 ただ、そこで忘れてはならないのは「日本も昔々はそういう時代もあったんだ」ということです。つまり、相手をさげすんではいけないということです。 個人的に「発展途上国」だった日本が現在のような先進国に発展したその過程に興味があります。そこに現在の途上国が抱える問題の解決の糸口があるのも事実。協力隊員でいかれる方もそうでない方も、すっかり「きれいな」日本人としてすました顔しないで過去のことも知ることが大事なのではないでしょうか。 あくまで私の意見&私自身への戒めです。あしからず。
by jpt-in-Marshall
| 2014-10-25 19:18
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